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プロフィール
片片山 寿子 先生 片山 寿子 先生
(かたやま としこ)
久留米大学医学部卒業。同大学内科等で10年勤務し、慈恵医科大学皮膚科医局を経て、都内の美容皮膚科勤務を約5年ほど経験し、当院院長として勤務。
日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本抗加齢医学会、日本臨床抗老化医学会会員。

肌だけでなく、体の内側のことも視野にいれながら皮膚トラブルを根本的に解決する美肌作りや、QOLを高めるウェルエイジング方法を指導しております。

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寒い季節のスキンケア

2008年1 月31日 (木)

こんにちは、寒い日が続いていますね。
乾燥による肌トラブルが多い季節ですが、調子はいかがですか?


Img_4現在、このクリニックにいらっしゃるほとんどの方にも乾燥があります。マイクロスコープで診ると、肌表面のキメが魚の鱗のようにめくれていて、内側の水分を蒸散しやすく、また外からの刺激も容易に受けやすい状態です。

笑うと顔がつっぱってしまう、肌が粉を吹いている、という方はもちろんですが、乾燥の自覚がない方でもほとんどの方が乾燥しているのが現状で、乾燥から皮膚炎やニキビなど様々な他の肌トラブルにつながることも多いので注意が必要です。

今回はこの『乾燥』をテーマに書いてみますね。


肌の一番外側には肌を保護するバリアがあります。
レンガ造りのように重なる角質細胞と、さらにその表面を覆う皮脂膜です。
角質細胞は肌細胞が新陳代謝された最終段階の細胞で、垢になって剥がれ落ちてゆく直前の状態です。
また、皮脂膜とは皮脂腺で産生されたフレッシュな皮脂が角質層の表面に作っているベールのようなものです。
肌の状態がよい時はこれらが薄すぎず、厚すぎず、きちんと整った構造で肌を守っているのですが・・・。
この季節、なかなかそうはいかないようです。


071229_2保湿効果の高い化粧水をつけ、保護効果の高い乳液・クリームなどで整えるのはもちろん大切なことですが、
付け加えるとすれば『洗顔』もとっても大事です。


私自身の経験のなかでは『洗顔』が最も大切ではないかと考えており、
皆さんに化粧水・クリーム等と同時に、弱酸性洗顔(pH5.5)をおすすめしています。
5.5という値は健康な肌のpH値です。
pH5.5の洗顔料はとってもマイルドで、肌を守る天然のバリアを壊すことなく、肌表面の汚れや古くなった角質・皮脂膜だけを洗い流してくれます。
乾燥肌、敏感肌、アトピー性皮膚炎を含め、すべての肌質の方に好評ですが、
特にこの時期、“乾燥しているのに皮脂が多く、ニキビが出来やすい”という方におすすめです。

乾燥+ニキビの場合、ニキビに対して洗浄力の強い洗顔料を使用することで
肌のバリア機能が破綻し、それにより皮脂分泌が促され、結果的にニキビが出来やすい、治らない、という悪循環に陥っていたり。
また、洗浄力の強い洗顔料はpHがアルカリ性に傾いていることが多く、
アルカリ環境ではニキビ菌が育ちやすいということも原因かと考えます。

このような状態の方が弱酸性(pH5.5)の洗顔料を使われると、
最初は「洗顔後のサッパリ感が得られにくい・・・」とおっしゃるのですが、
だんだん肌が健康な状態に戻ってゆくにしたがって、
その感じが実は肌にとても良いのだということに気づいてゆきます。

実は、私自身や、クリニックスタッフ全員がそうでしたので自信を持っておすすめしています。現在は洗顔のみでなく全身に使用しています。
しっとり肌が整って、とってもいいですよ。
まだまだ続く乾燥の季節、しっかり肌を守りながら乗り切ってゆきましょう。


次回は化粧水、乳液・クリームに関しての情報をお届けいたします。

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